実は大嫌いだったヌイグルミ

 
ヌイグルミが嫌いだった。
もちろん、子供の頃は好きだった。
小学校、中学校の頃の「ファンシー信仰」
そんな傾向が崩れてきてからだと思う。
甘ったるいキャンディーやガムを口にしなくなり、
子供っぽい柄のトートバックに拒否反応が起き、
その最もたる象徴が「ヌイグルミ」だった。
20代中盤までは、
洋服は「黒」!部屋のインテリアもシンプルなモノトーンが一番カッコいい!と思っていた。
タオルやハンカチに、ワンポイントのくまさんやレースが付いているのすら苦手だった。
まさに、そのスタイルにヌイグルミの存在する場所もなく、
ヌイグルミを売ってるお店にも近寄らなかったので、
私はいつしか、ヌイグルミというものを忘れかけていた。
「私は大人なんだ」という突っ張った意識も高かったのかもしれない。 
ヌイグルミのようにふわふわした可愛らしさは子供じみたものだと思っていたのである。 
だから当時の私は、どこかでヌイグルミを見かけても 
「可愛い〜っ」などとは思わず、 
別の生き物だという感じで冷めた視線を送っていたのだった。 

 

ミッフィーとスヌーピーのヌイグルミ。どちらも長男の出産お祝いに頂いたもの。ちーとみーぼー(友人)から。
 

 

 姉にもらった子供用テディベアリュック

 
しかしある時、ヌイグルミはあちらから我が家を訪問してきた。
そう、子供が産まれてから。
彼らは、お祝いであったり、パパのゲームセンターの景品だったり、
ごく自然に子供たちの周りをふわふわと囲み始めた。
だけど私は長女の時にはまだ「ヌイグルミは子供のものだから」
ということで、それを家の中に住まわせる理由にしていたような気がする。 
長男が産まれて、この子が毎晩スヌーピーを抱かないと眠れないことを知る。 
真っ黒になっては洗い、を繰り返した。
夜中に目を覚ました私が、長男の顔があまりに白い! 
と思って心配して電気をつけたら、スヌーピーの顔だった! 
なんてこともあった(笑) 
子供を叱っている時、ふとソファーに横たわるスヌーピーのさみしげな顔を見て、
「ぁ・また怒っちゃった」って反省したことも。
そのうち、このヌイグルミは毎日に溶け込んでしまったみたいだ。
このあいだインテリアショップを覗いた。
いろんな雑貨や家具を物色しながらも、
じっと見ているものは、手触りの良い犬の抱き枕ヌイグルミだったことに自分でも驚く。
ヌイグルミって優しい気持ちをくれる雑貨なんだ。
こんな大人になってから初めて、
こんな当たり前の事を理解した私だった。

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